パソコン・フェアリーひかる


 販売元:芳友メディアプロデュース
  定価:5800円
動作環境:HYBRID仕様



 この「パソコン・フェアリーひかる」は、プレイヤーがある日突然、パソコンのクラッシュに見舞われ、それがキッカケでパソコンの精“ひかる”が、モニターに現れるようになった……という設定の元、ひかるちゃんとチャットして遊びましょう! モチロン、エッチな写真やムービーもありますよ〜!! (あるいは、ひかるちゃんのエッチな写真やムービーを見ましょう! 彼女とチャットもできるよ〜!!)というもの。
 黒バックの真ん中に、ドーンとひかるちゃんの写真が置かれているという、シンプルといえばシンプルすぎる画面。だけど、その写真の下に“>”が表示されて、プレイヤーが自由に文章を打ち込み、それにひかるちゃんが答えるという趣向があるだけで、コレがちゃ〜んと間が持ってる。やっぱり“人格”の存在(たとえ、それが仮定でも)って、とても大きいのね。
 その、タイトルのポイントともいえる、架空のコミュニケーションがモチーフにしている“チャット”とは? ご存じのとおり、パソコン通信を使って、互いに声ではなく、文字を打ち込んで会話をするコト……とまあ、こう説明してしまうと随分そっけないんだけど、コレにハマり込んで破産状態になるヤツとか、職を失うヤツもボロボロいるというのも事実。常日頃パソコン通信を利用し、楽しんでいる、レッキとしたネットワーカーでも、チャットが好きとか面白いというヒトと、嫌いとか苦手というヒトに分かれるんだから、やっぱり、ちょっとクセのあるコミュニケーション手段、ではあるんでしょうね。
 まあ、電話がキライなヒトがいるように、チャットが嫌いなヒトがいるのは当然。不思議なのはむしろ、その面白さ、の方。ワタシもよくチャットで遊ぶし、面白がってはいるんだけど、実際何がそんなに、中毒になるほど面白いの? と聞かれたら答えられないもん。例えば電話と、手紙や電子メールでのやり取りと、実際に会って話すのと、それぞれどう違うのか挙げても、体験していないヒトや嫌いなヒトには、きっとその感覚は伝わらないだろうなあ。
 とはいえ、サスガにこの、ひかるちゃん相手に行うチャットは、そこまでのエネルギーはアリマセン。あくまでもニセ物だからね。それに、いくら何でもそこまで求めちゃ可哀相ってモン、じゃない? ということで、普段はチャットが嫌いなヒトにも、さほど嫌悪感を抱くコトなく、純粋に会話ゲーム的に遊んでもらえると思うよ?
 でも、ワタシはやっぱり、コレはチャッターの皆さんに薦めたいなあ。芳友メディアプロデュースが最先端のプログラミング技術を駆使し、総力を結集して開発した(一部筆者による誇張アリ)会話システム「HIKARU95」のチャット会話は、ニセ物なりに、なかなかイイ線行ってるんだもん。
 チャット好きが開発したのかまでは判らないけど、言葉のセンスがイイってことは確か。こう言ったらこう返せ、と登録されているキーワードのチョイスがいいらしく、何度もヒットされちゃったわ。きちんと会話になっている返事が、ビシッと返ってくると、なんだかドキドキしちゃうわよ。それに、こちらがどう入力していてもさほど違和感がない返事とか、後の会話をコントロールするためのセリフに、さりげなくチャットらしい語彙で、雰囲気作りしてるのがニクイ。
 チャットの合間に、会話で出し惜しみしながらもムービーやスライドショーを見せてくれたり、ゲームをしよう!と誘っては、ごほうびムービーをふるまったりと、ひかるちゃんは結構ふとっぱら。おかげで、チャットに飽きた頃に、ちゃんと画像タイムになるペース配分もイイ感じだと思うわ。ムービーの画質もグー、ちんぽも本物なのでフェラのシーンがグーグー。看護婦サンにコスプレしてくれた、ひかるちゃんの乱れっぷりもグーグーグー! 
 あ、そんなものはいらん、という真性チャットフェチのために、チャットを延々繰り返すコトも……気が利いてるというか、うーむ。
 清純派AV美少女(名前が思い出せなくてイライラする〜!ホラ、なんだっけこのコ、西野ひかる?遠藤ひかるでも、土方ひかるでもないし、あ!星野ひかるか?ま、いいんだけど)一人分の出演ビデオとスチールを集めて、CD-ROM作品にリサイクル。それも、あまり余計なグラフィックを加えず、アイディアで押したのがポイントかしら。よくできました!
(吉田メグミ)
(MediaDirect CD-ROM MAGAZINE 1996.04)

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