監禁王国


 販売元:KUKI(PISTON)
  定価:5900円
動作環境:Mac, Win3.1, Win95



 ワタシの愛するスティーブン・キングの「ミザリー」や、ジョン・ファウルズの「コレクター」を持ちだすまでもなく、人間誰しも1度は、愛するヒトの横顔を見つめながら“ああ、コイツを監禁してしまいたいっ!”と思うものですよね(そうか〜?)。
 まあ、実際にはそんなメンドーな、手間のかかるコトしたくないなあ。だけど岡崎京子の「私は貴方のオモチャなの」に出てくる“ポチ”みたいに、アナタになら監禁されて拘束されて犬にされてても嬉しいの!って、瞬間はあるかもしれない…2秒くらいなら(どうもマゾらしい)。
 うーん、何だか今月は例が文学的(?)ね。そんな愛と欲に満ちた“監禁”ならば、なかなか淫猥でグーなんだけど、今現在の日本で監禁と言えば、思い出すのはやっぱりアレでしょ、アレ。イマイチ辛気臭い、元気のなくなるような話ではあるけど、ま、話題だからなあ。拉致・監禁・暴行といえばアレよね、ウン。  なんて、ヒトリで頷いていても、読んでいる方にはサッパリ判んないわね、どうも失礼しました、本筋に入りましょう。
 この「監禁王国」は、この方面では貴重な“素材撮り下ろしモノ”を精力的にじゃんじゃん出してくる好レーベル、KUKIは「PISTON INTERACTIVE」の最新作。もはや定番とも言える3D-CG空間を舞台に、ウォークスルー・アニメーションと実写ムービーで織りなすエロベンチャー・ゲームです。
 プレイヤー(主人公)は、失踪した恋人エリカ(白石奈津子ちゃん)を取り戻すべく調査を重ねていた、勇敢なジャーナリストのジョー。実はコレ、巨乳麗しきエリカのほかにも、数多くの若い女性が失踪している事件なのね。その背景に、教王ラス・タファリ三世を指導者とする、邪悪なカルト教団・エクソガス教(アレ?)が絡んでいるのではないかという憶測のもと、単身で教団の築いた王国に潜入する…というのが、バックボーンとなるストーリー。
 ね、判ったでしょ? ゲームのストーリーとしては、そう意外なモノではないとはいえ、時期的にも、アレからインスパイアされたことはほぼ確実。折しも、地下鉄にサリンを撒くゲームがネットに流れて反感を買っていますが、どこかのマヌケがそんなコトしてる間に、コッチじゃ大作が出来ちゃってるんだから、さすがエロ業界は早いっ! このスピード感が好きだわ。
 CGの部分はプレイヤー目線だけど、ムービー部分は*****サン紛する熱血青年ジョーの、ドラマティックな演技が見モノです。そして、勇敢で絶倫のジョーは、恋人を見つける前に、監禁されている女のコを見るとヤってしまう、しょーもない奴。いったい一日に何発ヤるんだ? ヤってくれないとつまんないから許すケド。
 チャート式とはいえ、インタラクティブ・ムービーと言うにはワナが多く、やっぱりゲームってカンジの“遊べる”仕上がり。ハマるとゲームオーバーになってしまうので、ストーリーが分岐する選択の前にはセーブを忘れずに!
 当然、Hのシーンもちゃんとあるんだけど、シチュエイションのアイディアがまず先にあって、そこにエロを加えたってカンジかな。エッチ度はあんまり高くないかも…。
 始まっちゃえばヤるコトは一緒なんだけど、監禁されている女のコ達が一様に吊るされて、グッタリぼんやりしてるってのが、どうもモノ足りないわね。演技力をカバーするためだとしても(笑)、もうちょっとネチっこいイヤラシさが欲しかったなあ。洗脳のための薬でラリラリになってる設定だって狙いはわかるよ? んーけど、みんな意識朦朧状態で、信者やジョーにイジメられても、すぐ失神しちゃったりするんだもん。もっと驚いたり怯えたり羞ずかしがったりして欲しいじゃないの〜。
 ワタシはてっきり“監禁→拘束→放置&バイブ責め→侵入者ジョーへの反発→凌辱→快感→征服→羞恥…”と、果てしなきSM輪廻が繰り広げられるに違いない(わくわく)、なーんて勝手に期待していたのでした。そういうのがお好みの方は気を付けましょう、絡みはごくフツーの、指で軽くイかせてからフェラ→挿入→フィニッシュですからね〜(ガッカリ)。うーん、それにしてもジョー君、ヤリたがりのクセに、ちとワンパターンでないかい? 女のコ達も中の中クラス(またそーいうコトを言う…)だし、奈津子ちゃん紛するエリカは、ラストシーンまで登場しないから、彼女に逢えるのを夢見て頑張るしかないのです(それが狙いか?)。
 帯には“アダルトCD-ROM史上最大の超大作”とあるけど、個人的には“まあまあの大作”ってトコかしらねー。結構遊べるし、メチャクチャ凝ったスプラッタ系内蔵シーンとかが、無意味にちゃんと作ってある(コレはインパクトあるぞ〜)ところも好きだけど、なにせPISTONには「サドラ・マゾラ」という、GOODY最優秀CD-ROM賞受賞作品があるからなあ…。
 多少スケベさに不満はあれど、やっぱりムービー画像がキレイなのはいいわよねーと、終り間近、エリカの絡みを堪能しつつ、つくづく思った次第でありました。もはや、ムービー圧縮はKUKIのお家芸と言えましょう。アダルト以外の作品を含めても、ほぼダントツなんじゃないかしら。あとは、ムービー同録の音声が向上すればカンペキ…エロには声が重要ですもの。
 白い肌の質感(揺れる乳×2を含む)や、そこにハラリと垂れかかる髪の毛のグアイ、フィニッシュ間近のふくらはぎに見て取れるさりげない筋肉の緊張などなど、ここまで判るってスゴい。あら、こういう細部をじーっと観察してみるってのは意外と、うん、いいわね、コーフンしちゃうかも♪ 
(吉田メグミ)
(MediaDirect CD-ROM MAGAZINE 1996.01)

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