Racing Days


 販売元:有限会社キットピーク
  定価:8800円(税別)
動作環境:PowerPC搭載Macintosh



 デイトナやリッジレーサーとほとんど遜色が無いレーシングゲームが遂にパソコンソフトとして発売された。PowerMacintosh専用のCD-ROM「Racing Days」だ。最近では、Diamond社の3D EdgeによってバーチャファイターがWindows95上で動いたり、この「Racing Days」が登場したりで、徐々に、パソコンとゲーム専用機の境も取り払われてきたようだ。 このゲームを見る限りでも、リッジレーサー並みとは言わないまでも、デイトナとなら、ほぼ互角か、描写のなめらかさは、Racing Daysの方がやや優っているほどだ。文句の付けようのないスピード感と、かなりシビアなドライビングテクニックを要求するゲーム性、よくぞMacintoshでこれだけ動くゲームを作ったものだ。

 車のデータは、NSXとNSXのルマンGT2仕様、さらに発売記念として、インテグラType-Rの拡張車種ディスクがバンドルされている。それぞれに完全に操作性やクセの違いがあって、かなりのところまでシミュレートされている。エンジン音も中々リアルに再現されている(インテグラは今一)し、カラーリングも豊富に揃っている。カラーリングに関しては、色を塗ったり、ステッカーを貼ったりして、独自の車を作れるエディタも内蔵している。もっと凝ったカラーリングをしたい人は、グラフィック・ソフトを使って微妙なペインティングを施すことも出来るが、色は256色に限定される。作ったカラーリングは、ファイルに保存してPDSとして流通させることも可能だ。
 ギア比やウィング角、サスペンション、ブレーキの初期制動力と減速力を好みの設定に変えることも出来るし、ベジェ曲線を使って簡単なサーキットを作成するコースエディタも付属している。こういう豊富な機能が、ゲーム専用機ではない、パソコンゲームならではの楽しみだ。

 操作は、一応、マウスかキーボードでのハンドル操作と、キーボードによるアクセルやブレーキで行うのだけれど、相当難しい。キーボードではハンドルの微妙なテクニックが使いにくいし、マウスだとまっすぐ走るのが大変だ。出来れば、ジョイスティックやハンドルの類を使って遊びたい。タブレットを使うとイケるという人もいるようだ。どちらにしろ、特にブレーキング操作のシビアさは、この手のゲームの中でも相当上位にランクされると思う。
 抜けるような青空の下で、都市から田舎、海辺などを走り抜けるのは、うまく運転できていれば、かなりの快感だ。コースはとりあえず三つ用意されている。難しいけど、どのコースも眺めが良くて嬉しい。ようやく、純粋にゲームを楽しめる作品がMacintosh用に登場したという感じだ。ちょっと操作が難しすぎる気もするけど、きちんと実車をシミュレートした結果なのだろう。力作である。

(納富廉邦)
(CD-ROM Fan 1996.02)

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