ハロー!ワーズワールド


 販売元:株式会社DDPパブリッシング
  定価:8800円(税別)
動作環境:Mac, Win3.1, Win95



 何はなくとも、単語さえ知っていれば、そして、相手が喋る単語の断片さえ聞き取れれば、文法なんかろくに知らなくても、英語を喋ることはできるものだ。
 そこで、この「ハロー!ワーズワールド」がオススメだ。このCD-ROMは、早い話が、絵による辞典、いわば、英絵辞典とでも言うべきもので、単語をクリックすると、その言葉が指し示す内容の絵と、その意味(日本語)が表示されるようになっている。さらに、その意味の説明で出てくる言葉に、直接ジャンプすることも出来て、辞書の中を好きに旅することが出来るようになっている。かつて、辞書を引いていたら、そこで目にした言葉をついつい調べ続けたりしてしまったことがある人(受験勉強中とかに、よくやったよね)は分かると思うが、こういう風にして調べた言葉って、妙に覚えてしまうものだ。
 単語は、ネイティブの発音で聴くことが出来るし、絵や写真が簡単なアニメーションや、例えば楽器の絵なら、その音を聞かせてくれたりもするので、言葉と、対象物がストレートに繋がる。これも、記憶に役立つ配慮だ。
 そういう学習ソフトとしての魅力もたっぷりだけど、このソフトの最大の魅力は、ただ眺めていても楽しい、という所にある。元々辞書や図鑑というのは、見ているだけで結構楽しいものだが、このソフトでは、例えば、猫なら猫で、猫の身体の部位をクリックすることで、その部分の名称を聴くことも出来るし、猫が所属するカテゴリー(この場合はペット)と同じ仲間をまとめて表示してくれたり、といった具合に、動く喋る辞書として、本当によく出来ているのだ。
 英語クイズも出来るし、純粋に英和辞典として、単語から日本語を検索することもできる。意味はナレーションでも説明してくれる。本当に至れり尽くせりの構成で、ボキャブラリーを増やすのに、これだけ適したソフトは他にないだろう。もともと、英語の授業中には、「とにかく辞書を引くことが大事だ」と教師が言っていたような気もするし、辞書というのは、ボキャブラリーを増やすのに役に立つものなのだ。
 とりあえず、こういう所から始めてみよう。多分、英語なんて、そんなに難しいものじゃないはずだ。今回取り上げたソフトは、どちらも子供向けに作られたものだけど、英語を勉強するのに大人も子供もない、ということが良く分かるように作られているから、よい作品に仕上がっているのだと思う。
(納富廉邦)
(DOS/V MAGAZINE START 1996.05)

五十音別索引
アルファベット索引