シネマガイド '96 全洋画


 販売元:株式会社パトラ
  定価:14800円(税別)
動作環境:Win3.1, Win95



 映画のデータベースといえば、マイクロソフトのCINEMANIAだった。でも、いかにデータが充実していても、いかに使いやすくても、所詮はアメリカ製のアメリカ人のためのCD-ROM。日本語タイトルしか知らない映画や、テレビで放映された時のタイトルしか知らない映画、さらには綴りも読みも分からない監督名や役者名などは、全く検索できないのだ。オマケにアジア映画やヨーロッパ映画はほとんど収録されていないし、ビデオの発売状況データも日本版ではないから、あまり役に立たないしね。
 そんな中で、ついに日本人による日本人のための洋画データベースが登場した。収録タイトル数23000本(CINEMNIAが19000本くらい)。戦後から1995年12月31日までの劇場公開作品、ビデオ公開作品、テレビ放映作品、TVムービーのほぼ全てを網羅。劇場公開時から、ビデオ、テレビなどで同じ映画なのにタイトルが次々と変わるというのは、よくあることだが、それらのタイトルもカバー。どのタイトルからでも検索出来るように作られている。データのリンクも充実しているので、作品名を忘れても、その映画の監督名や役者名を思い出して、その人が携わった映画のタイトルを思い出せば、そこから目的の映画にたどり着くことも出来る。役者名による検索機能が無いのは、このリンクへの自信の現れだろう。'96年上半期の、CD-ROM評論家協会奨励賞受賞にふさわしい出来。
 基本的にデータはテキストのみ(3000作品については写真有り)、だが、その分、検索が異常に速いし、データベースとして必要なデータはきちんと押さえてある。実用性に徹した、本当に「使える」データベースだ。
(納富廉邦)
(DOS/V MAGAZINE START 1996.08)

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