バーンズ・コレクション


 販売元:株式会社バンタンインターナショナル電脳工場
  定価:8800円(税抜)
動作環境:Mac, Win3.1, Win95



 二十世紀初頭から、印象派や後期印象派の絵画を収集していた、アメリカの医者であり化学者であったアルバート・バーンズ博士は、1925年、それらのコレクションをアメリカで一般公開した。しかし、その当時、あまりにも斬新だった印象派絵画は、アメリカ人の理解を得られず、その評価も不当なものだった。そのことに怒ったバーンズ氏は、コレクションを門外不出とし、一部の学生や研究者のみにプライベートで公開することにした。セザンヌやマチス、ルノアールなどの全盛期の絵画が、1993年に初めて公開されるまで、ほとんど一般の目に触れることのないまま、バーンズ財団美術館に所蔵されていた。それが、バーンズ・コレクションだ。
 このCD-ROMは、'94年に日本でも公開されて記録的な入場者数となったバーンズ・コレクションの全貌をCD-ROMにした、正に貴重な資料だ。収録作品330点、質量共に世界最大といわれる個人コレクションを、モニタを通してとはいえ、ゆっくりと眺めることが出来る(国立西洋美術館のバーンズ・コレクション展は、とてもじゃないけど、ゆっくりなんて見てられなかったもんな)。
 評論家や歴史家の案内を聞きながら見て回る「ツアー」モード。バーンズ財団美術館を再現し、中を自由に歩いて見ることができる「ギャラリー」モード、年表を追って作品と時代を見る「タイムライン」モードなど、様々な視点から、コレクションの全貌を見ていくことができる。作品だけでなく、バーンズ宛ての書簡や、絵画の取引の書類などの資料も収録。気に入った絵画を集めてスライドショーを作ることもできる。
 どのようにでも見ることが出来る柔軟なインターフェイスと、ビジュアル・インデックスによる効率的な検索など、操作性も良い。
 でも、小さなモニターで、これだけまとめて絵を見てると、何だかオークションのリストを手に入れたような感じで、思わず、買いたい作品に印を付けそうになるな。実際、印象派をそれほど好きではない僕が見ても、このコレクション凄いや。
(納富廉邦)
(MacFan 1996.04)

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