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L-ZONE


販売元:シナジー幾何学(MAC)、NECホームエレクトロニクス(WIN)
価格:7800円
対応機種:Windows、Macintosh



●L-ZONE

庄野晴彦が自らの趣味性を最大限に発揮して作った、テクノエイジのための作品。ドーム状の都市L-ZONEの中を自由に散策し、そこにある様々な機械や道具類を使ったり、動かしてみたりしながら、都市の奥へと潜入、最後は脱出するというものだが、基本的にストーリーは無く、ただ、L-ZONEという都市を体験することが目的の作品だ。ビデオでいくら凄い機械を撮影しても、その面白さは伝わらない。ならば触れる機械を作ってやる、というコンセプトで作られているので、様々な機械をクリックして、その動作を楽しむのが本来の遊び方。機械いじりの好きな人必携。

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LAST DYNASTY


販売元:SIERRA
定価:輸入盤
対応機種:DOS/V、Windows


●LAST DYNASTY

シューティング・ゲームに何故バックストーリーが付いているのか、僕は昔から不思議に思っていた。まあ、機体のデザインや舞台となるステージのデザイン、敵機の出現方法やボスキャラの能力などを考えるに当たって、ある程度の物語設定が必要なのは分かるけど、それをわざわざマニュアルに書いたり、オープニングのムービーで見せたりする意味は、やっぱり分からない。遊ぶこっちは、いちいちそんなの気にしてないもん。DOOMが面白いのは、ただ撃ちまくって殺しまくって走りまくるからである。大体バックストーリーの存在さえも知らない。でも、多分あるんだよな、DOOMにも。
 そんな私の目の前に現れたのが、この「LAST DYNASTY」。日本語にすれば、最後の帝国。ラスト・エンペラーみたいね。この作品は、ま、早い話がシューティング・ゲームなんだけど、しっかりとストーリーがある。それも、バックストーリーなんて付け足しのものじゃなくて、ゲームの中でストーリーが進行するのだ。でも、やるのはシューティングだけなんだよなー。
 しかも、怖いことに、シューティングの最中にも、いきなりムービーが挿入されたり、ストーリーが進行したりするのだ。でも、やってるのは敵を撃つだけなんだよなー。
 敵機を撃墜したら、その撃墜シーンのムービーが出るのは、まあ、分かる。それが例え、次の敵を照準に入れて、今まさにレーザーを発射しようとした瞬間に、いきなり画面が切り替えられたとしても、まあ、それは演出ということで許せる。自分がやられるのをムービーで見せられるのは定石だから、それもいい。でも、相棒の戦闘機の出撃シーンとか、ドラマ上の敵の情勢や敵司令官のキャラクターなんかを戦闘中に、しかも英語で喋られてもしょうがないじゃん。こっちは敵を撃墜することで頭いっぱいなんだからさ。シューティングだ、と思ったとたん、人間は撃つだけの端末になるもんなんだよー。それが楽しくってシューティング・ゲームするんじゃない。
 どーも、そのへんが分からない。しかも、凄いことに、よくあるパターンとはいえ、ストーリーとかドラマ部分のムービーが結構良くできてるんだ。ゲームを始めると、いきなりロケットの発射シーンがアップで映され、おっ、カッコいいじゃん、と思ってると、カメラがひいて、小さな模型ロケットだったことが分かる。しかも、その打ち上げは失敗。二人の男が落胆して部屋に戻る、っていうムービーになる。これ、結構笑える。最初のアップだけで繋いだ緊迫した打ち上げシーンとその後の落差も、タイミングも、ノリも良くて、コメディとしてよく出来てる。その後、その二人の内の一人が、パソコンに繋がれたゴーグルみたいなのをかけると、どうやらそれがヴァーチャル・リアリティのシューティング・ゲームらしく、画面はいきなりシューティング・ゲームになる。任天堂のバーチャルボーイみたいなもんなのかな。とにかく、そこで僕らプレイヤーは、シューティング・ゲームを始めることになる。
 ゲーム自体は、3Dのシューティング・ゲームとしては普通の出来。武器を選べたり、舞台が360度自由回転の宇宙空間で、照準を合わせるのに苦労する、といった感じの奴だ。その後、宇宙パイロットに憧れる二人は、タイムスリップして未来の世界へと旅立ってしまう。そこで、新しい独裁者に狙われる最後の帝国を守るために戦うわけね。ゲームだったはずのシューティング・シーンと、実戦になったはずの未来世界でのシューティング・シーンが、全く同じインターフェイスというのもヘンな話なんだけど、そこはそれ、伊達に2枚組にしてるわけじゃないんだから、オチはあるに決まってるでしょ、ってことで野暮はいいっこなしよ。
 で、関係ないけど、このCD-ROMのオマケに付いてたムービーで、「PHANTASMAGORIA」という、どっかで聞いたことあるタイトルのCD-ROMの予告編がやけに面白いのが、また困ったもんだ。かつてのB級ホラーの香りがプンプン臭うインタラクティブ・ムービーみたいなんだけど、ムダに仰々しいセットといい、水の中に沈む死体の雰囲気といい、B級映画には欠かせない、キレイなんだけど三流の匂いのする金髪女優といい、好みだわー。
 あと、このCD-ROM、インストーラーが付いてるのは当然として、インストールしたファイルを削除してくれる機能も付いてる。これは嬉しい。ヘルプも充実してるし、マニュアルも丁寧で、何だか凄く親切な作品なんだよな。

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Lode Runner THE LEGEND RETURNS


販売元:SIERRA、システムソフト(国内発売元)
定価:8800円
対応機種:Macintosh、Windows


●Lode Runner THE LEGEND RETURNS

アクションパズルゲームの古典的名作「ロードランナー」がCD-ROMになって帰ってきた。僕も10年以上前、ファミコン版で徹夜で150面クリアしたことを覚えている。
 迷路状になった画面を、敵に追われながら、ひたすら金塊を取りながら走っていく。敵を直接攻撃することは出来ず、地面に穴をあけて、敵を落してその上を走っていく。金塊を取るのに、穴をいくつもあけて階段を作りながら下へ降りていくというような面もある。全ての金塊を取ったら、出口が現れ、そこから次のステージへ行く。一画面で一つのステージが完結していて、ゲーム中にスクロールすることはほとんどない。敵から逃げるより、穴の中にある金塊をどうやって取るか、どういう順番で取るか、などの方が重要になる。
 追ってくる敵を利用しなければ、金塊が取れないステージ、金塊は簡単に取れるのに、脱出する穴へ行くのが難しいステージなど、アクションゲームとしてのスリルとパズルゲームとしての仕掛けのバランスが絶妙で、反射神経に自信が無い人でも、パズルが苦手な人でも楽しめるようになっているのは、このCD-ROM版でも変わらない。
 自分でステージを作ることも出来るし、二人プレイも楽しめる。CD-ROMになってグラフィックが充実したことで、「走る」臨場感が増したのも嬉しい。良くできたゲームは時代を超えて面白いことを証明した。SIERRAって凄いね。

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LOOKIN' FOR AMERICA


販売元:風雅書房
定価:12800円
対応機種:Macintosh


●LOOKIN' FOR AMERICA

フォトグラフス&ドライブという副題の通り、アメリカを車で旅行すると楽しいよ、ということをメインにした風変わりな観光ガイド。地図をクリックしてそこの写真を見たり、カメラマンによるお勧めコースに従って、その道沿いの景色を見たり、主要都市から様々な場所への距離を表示してくれたりする。何となく楽しいし、ただアメリカの写真を並べただけではない工夫は感じられる。表示速度がかなり遅いので、データベース的な使い方には向いていないけれど、全ての写真に解説もついてるし、アメリカをのんびり楽しもうという感じで眺めるといいもんだ。

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LOST EDEN


販売元:VIRGIN Interactive Entertainment
定価:輸入盤
対応機種:DOS/V


●LOST EDEN

恐竜と人間が共存する世界、というネタは、結構古くから使われてる。恐竜100万年とか、ロストワールド(これは別に共存はしてないか)、昔、ブロントザウルスの頭に乗っかってブーメラン投げる子供が主人公のテレビドラマもやってた(タイトル忘れちゃった)。REXってのもあったな。
 で、この「LOST EDEN」だけど、これは正統派の恐竜と人間の共存物語だ。昔、遠い昔、人間と恐竜が、それぞれの特性を生かして生活していた時代。文明のクリエーチャーは恐竜だった時代に生まれた一人の王子の物語。
 物語は、まず、プテラノドンによる基本設定のナレーションから始まる。どうやら、この世界は、Moorkus Rexという専制君主的独裁者と彼が率いるティラノザウルスの軍団に、全ての人間と恐竜が脅かされているらしい。関係ないけど最近早朝にテレビ東京でやってる「ジュラトリッパー」っていうアニメも、何かプテラノドンが言葉を喋ってたなあ。恐竜の世界のスポークスマンなのだろうか。このCD-ROMでもかなりのお調子者のお喋りとして描かれてるしなあ。で、プテラノドンの話を聞いたら画面は宮殿のようなところへ。Moという宮殿から始まる。主人公はここの王子。何か王様(父ちゃんね)が呼んでるというので、王様の部屋を探して王宮内をうろつく。
 いつものように、とりあえず画面をクリックすると驚いた。グィーンって感じでメチャメチャスムーズなウォークスルー・アニメーションが展開し、あっと言う間にエレベーターみたいなもんの前にたどり着く。このゲーム、意味無くクリックを繰り返して、あっちウロウロこっちウロウロなんて操作は必要ないのだ。行きたい方向、もしくは行ける方向を指定すれば、その方向にある何らかの意味のある場所に勝手に歩いて行ってくれる。
 まあ、アニメーションやCGの凄さはオープニングの画面で何となく予想はしていたものの、結構オープニングだけ凄く力入ってる奴って多いから、話半分って感じで見てたんだけど、このアニメーションはぶっ飛ぶよ。アクセス待ちもほとんどないから、ホント自然に動いてる感じだ。いちいちウォークスルーを見るのが面倒な人は、アニメーション開始と同時にクリックすれば、すぐに画面は切り替わるから、気の短い人もOK。
 で、王様に会うと、今は危険だから外に出るんじゃない、とお説教。自分は彼に残された最後の息子らしい。所が王様につき従っているEloiっていう名前のプテラノドンは、あとで部屋に行ってもいいですか?と目くばせする。部屋に行くと、Eloiはもう来ていて、外でDinaって娘(恐竜だけどさ)が待ってるから会ってやってくれという。もういきなりオヤジに背くことになるわけだ。
 宮殿は、王様の部屋、自分の部屋の他に、神官の部屋、職工の部屋がある。職工は言葉が喋れない(何かYeah,Yeahとか唸るのだが、そのヘンな間は山崎邦正のギャグ「イェイ、イェイ、イェーイ」に似てて気持ち悪い)。神官の部屋では、何か四角いパネルをもらう。これが実はこのゲームの核となるアイテムで、これを6枚集めなければ最後の敵は倒せないのだけど、それが分かるのはまだずーっと先のお話。
 で、裏口からこっそりと外に出て(表は猿の兵隊がガードしてて出してくんない)、Dinaに会う。何でもDinaのじーさんにして、恐竜一族の長老が死ぬ間際に自分に会いたいと言ってるらしい。あ、言い忘れてたけど、主人公の名前は、ご想像通りアダムと言う。そのまんまで恥ずかしい名前だけど、まあ、そういう神話なのだからしょうがない。ちゃんとイブ(金髪の美女だよん)も出てくるしね(首尾一貫)。
 Dinaのじーさんは、恐竜と人類の未来をアダムに託して死に、これ以後アダムはDinaと行動を共にする。じーさんによると、Moの宮殿を作った男が、宮殿に秘密を隠しているという。その秘密を見つけだし、Moorkus Rexの支配を打ち砕いてくれ、と言うのだ。宮殿に戻り、秘密(口の聞けない職工がカギを握っている)を発見できれば、いよいよ本格的なMoorkus Rexとの攻防戦。
 父ちゃんの許しも出て、仲間と共に世界中の谷を回って、そこに住む人間(何故かビキニ姿のネーさんばっかの国とかあって、彼らのキャラクターもいちいち面白い)や恐竜達を説得し、ティラノザウルスを倒し、砦を築く。ブロントザウルスは砦を築く科学力を持っているし、トリケラトプスは砦を強固にするための技術を持っている。しかし、ブロントザウルスは現地の人間がいなければダメだと言うし、トリケラトプスは、アダムは友人だと認めるがブロントザウルスに協力するのはイヤだと言う。彼らを説得し、Moorkus Rexの軍に対抗できる要塞を作らせなければならない。
 更に、迫るティラノザウルスを倒すため、ヴェラキロトプスに協力を仰ぎ、彼らにティラノザウルスと戦ってもらう。これがまた、金が無いと働かないという強欲野郎だから面倒くさい。さんざん金を持っていって、ようやく戦わせることに成功しても、しばらくすると敗走してるしなあ。彼らを勝たせるのにはアイテムが要る。そのへんの情報は、水の中に住んでて、リンゴを投げるとつられて陸地に上がってくるモササウルスが知っている。ホント色んな恐竜にお世話になりながら、少しづつ戦線を拡大していく。
 どうにか要塞が出来てきたら、今度は恐竜の親分アクアザウルスの協力を仰ぎに行ったり、仲間だったMangoという恐竜(Dinaの彼氏)が行方不明になって、落ち込んだDinaが戦列を外れたり、変な仮面かぶってた人間が、仮面を取ると金髪の美女イブだったり、さらには、ほとんど日本人をイメージしただろう、この野郎!といった感じの変な民族にイブがさらわれたりと、色んなことが起こる。イブはDinaとの交換で戻ってくるけど、この日本人風民族は、言うことはメチャメチャだし、ヘンに宗教入ってるし、ヤな野郎たちなんだ。
 そんで、そいつらの出す三つの問題というのを解いたりしてるうちに、祖国Moでは父ちゃんが死んでしまう。さて、そこからがクライマックスなんだけど、あとはやってみてのお楽しみ。
 英語は結構簡単だし、字幕(英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語の字幕が用意されてるのに日本語は出ない、悲しい)も出せるから、それほど言葉には苦労しないでゲーム出来るのが嬉しい。それほど意地悪なトラップも無いしね。迷路も一カ所だけあるけど、ちゃんと道を教えてくれるし、行き詰まったらヒント(死んだDinaのじーさんの魂が教えてくれるんだよ)も聞ける。ゲームとしてはそれほど難しくなく、ボリュームはあるから、かなり楽しめると思う。僕は面白かったな。ビクターエンタテイメントから日本語化も予定されている。
 後半は実の妹とかも出てきて、ドラマチックに盛り上がるよ。ただ、途中でゲームオーバー(ティラノザウルスに食べられちゃったり)した時と、本当のエンディングが似たような感じなのは残念。ちょっと達成感が殺がれるなあ。
 でも、谷から谷へ移動するシーンや、要塞の工事現場なんかのアニメーションはホント凄いし、ストーリーもきっちりしてるし、さすがヴァージン製のCD-ROMだな。3Dじゃない部分の絵は、何かヨーロッパ重厚趣味の油絵みたいで、趣味は分かれると思うけど、世界の雰囲気には合ってると思う。何せここで語られるのは神話なんだし。
 いやはや久々に圧倒される、完成度の高いエンターテイメントであった。めでたし、めでたし。

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LUCY IS LOST / GUS IS GONE


販売元:Arch Interactive,Inc.
定価:輸入盤
対応機種:Macintosh


●LUCY IS LOST / GUS IS GONE

ウォーリーを探せ!風の、絵の中から特定のキャラクターを探すゲームが二つ入ったCD-ROM。LUCY IS LOSTは、世界旅行をしているルーシーおばさんを、グランドキャニオン、ベニス、モスクワ、中国、北極などの絵から探し出すゲーム。探し出すのはルーシーおばさんだけではなく、リストに表示される様々な物を探さなくてはならない。もう一つの、GUS IS GONEは、タイムマシンで時間旅行をしているガス君を探すゲーム。原始時代や石器時代、ゴールドラッシュ時代などの画面がある。遊び方はどちらも同じ。見つけてクリックすると、音で正解を知らせてくれる。

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LUNICAS


販売元:バンダイビジュアル(MAC版)、NECホームエレクトロニクス(Win)
定価:9800円(Mac)、7800円(Win)
対応機種:Macintosh、Windows


●LUNICAS

あの、スーパーカードで有名な、ビル・アップルトンによる、シューティングゲーム。アクセスが遅いため、シューティングや素早い場所移動は難しいと言われていたCD-ROMで、ここまで快適な3DCGシューティングゲームが出来るのか、とビックリするほど、その動作はキビキビとしている。基地で様々な情報を得て、指令を受けてシューティングの戦場へと赴く構成。人物はアップになるとポリゴンからアニメーション(日本語版では、大友克洋がキャラクターデザインをしている)へと切り替わり、喋る言葉に合わせてその形に口が動くのも凄い。

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LUPIN THE 3rd THE FIRST TV SERIIES ENCYCLOPEDIA


販売元:VAP
定価:5974円
対応機種:Macintosh、Windows


●LUPIN THE 3rd THE FIRST TV SERIIES ENCYCLOPEDIA

何だかCD-ROMのエンターテイメント系データベースって、パトレイバーやら、探偵物語やら、ルパン三世やら、仮面ライダーやら、何だか、やっぱコンピューター・ユーザーの嗜好ってそーゆー線?って感じではある。
 基本は映像なのね。データベースって言ってんのにさ。パトレイバーにしろ、ルパンにしろ、マンガはほとんどフォローされない。パトレイバーなんて、わたしゃマンガは好きなんだけど、アニメ、特に映画版はほとんど憎んでるくらい嫌いだからなあ。ルパンは、アニメの第一次シリーズのみだから、まだましか。映画のルパンは嫌いだなー。あ、もしかして俺ってアニメが嫌いなのか?
 しかし、データって何なんでしょ。アニメやらドラマやらでデータベースを作るってどーゆーことでしょ。パトレイバーは結構明快だな。何せパトレイバーというネタを使って、みんなで遊んだ結果をCD-ROMにまとめてあるわけだから。探偵物語は、思い入れをデータにしようとして失敗。仮面ライダーにおけるデータって何なんだ。ルパンも実は仮面ライダーと同じ様なもんだ。ルパンのデータってどういうこと?
 最近文庫化されたマンガ「ルパン三世」は、あとがきに結構細かいルパン三世のキャラクター検証の文章が載ってる。どこそこで、こういう事を言っているから、こういう奴だ、とか、ルパンの弱点は?とかを、マンガの中から拾い集めて来るやつ。昔はやった磯野家の秘密みたいなもんだわな。データっていえば、そーゆーのってデータだ。
 シナリオを集めるって手もある。探偵物語、家なき子、誰にも言えない、高校教師、人間・失格ってあたりは、シナリオ全収録というのがウリだもんね。ルパンにはシナリオは入ってない。大和屋竺のシナリオなんて読みたいのにね。シナリオ集「荒野のダッチワイフ」には、魔術師と呼ばれた男(パイカルの話)しか入ってないから、そのへんが読めれば結構嬉しかったんだけどな。初期ルパンって鈴木清順一派の日活残党が結構シナリオ書いてるから、アニメになった時のものじゃない、元の文章が読めるといいのにね。
 じゃ、このCD-ROMには何が入っているのか、というと、実は予告編全部&エンディングテーマのムービー。これだけがウリでしょ。つまり、探偵物語のCD-ROMからシナリオ抜いたようなもん。あ、同じとこで出してんだっけ。
 でも探偵物語は駄作だけど、ルパンはまずまずの出来と思ってしまうのは、一つは思い入れ。もう一つは、実写よりアニメの方がムービーのクオリティが高いこと。そんでもう一つは、3DCGが使われてない分、インターフェイスが軽いこと。その程度なんだな。
 データへのアクセスがしにくい、というのも探偵物語とルパンの共通点。部屋をあちこち探してまわらないと、データが見られないのと、ムービーをクリックするタイミング次第で表示データが変化するのと、まあ、やっぱルパンの方がましだけど、似たようなもんだ。でも、データと言っても、設定資料とか静止画像、名場面ムービーにセリフの音声ファイル、簡単な解説のテキストってくらいのもんだから、見なくても構わないんだけどね。ホラ、ルパン三世のデータって何だ?って話になる。どういうデータが入ってたら見たいと思うんだろう。俺はシナリオかな。でも、シナリオってデータ?書籍でシナリオ集が出るだけでいいかもしんない。だから、この手のデータベースってムービー主体になるのよね。それって、CD-ROMならムービーを入れられるってことから出発してるみたいだ。こういうデータベースがあったら便利だから作ろうってんじゃないのよね。
 その点を考えたら、このCD-ROMって良くできてるかも。データになんかアクセスしなくっていいよ、って言ってるんだもん。検索機能すらないしね。索引を作ってくれる機能はあるけど、いっその事、そんな中途半端な親切設計は要らなかったんじゃない?
 音楽はいいなあ。いい曲使ってたんだね。いっその事、シナリオとジングルと曲だけでCD-ROMにしたら、データベースじゃなくなるけど、カッコイイものは出来たかも。
 あ、そうか。これってシューティング・ゲームだ。脱衣型麻雀みたいなもんで、うまく撃ち落としたらご褒美で適当な絵とかムービーを見せてくれるって仕掛け。ルパンファンにしてみれば、この手のデータっておねーちゃんの裸くらいの価値はあるのかもしんない。そう思えば面白いけど、タイトルにはエンサイクロペディアって書いてあるしねえ。もうちょっとレスポンスが良ければ、でもゲームとしては面白い。どーしてセーブが無いのって気もするけど、データベースのつもりが無いなら、それもサッパリしていいか。
 でも、ホント、データって何?
 ダバダバダバダバダ。

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リトルビッグアドベンチャー


販売元:EAV
定価:未定
対応機種:DOS/V


●リトルビッグアドベンチャー

「アローン・イン・ザ・ダーク」のスタッフが手掛けたアクション・アドベンチャーゲーム「Relentress Twinsen's Adventure」の日本語版が、このゲームだ。アローン・イン・ザ・ダーク同様のインターフェイスで展開するストーリーは、そのキャラクターの可愛らしさと相反して、かなりの難易度だ。じっくり腰を据えて遊べる、RPG風アドベンチャーの傑作に仕上がっている。

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ルーヴル美術館 絵画と宮殿


販売元:フジテレビ/インフォシティ
定価:9800円
対応機種:Macintosh、Windows


●ルーヴル美術館 絵画と宮殿

レオナルド・ダ・ヴィンチに続くRMNデジタルアートセレクションの第二弾は、フランス、ルーヴル美術館。ダ・ヴィンチのような、意匠を凝らした内容ではないが、膨大なコレクションを誇るルーヴル美術館を、分かりやすく解説し、案内してくれる。
 元々が宮殿であるルーヴルの、建築物としての側面と、収蔵絵画の紹介の二つのブロックに分かれていて、それぞれがリンクする構成は、ルーヴル美術館に実際に行くときに役立つ観光ガイド的な使い方も出来る。建物のどの部分が、どの時期に建てられ、どのような絵画が収められているか、ということが一目で分かるようになっているのだ。絵画と、展示場所を常に行き来出来るようにしたインターフェイスは、書籍では不可能な試みだ。
 絵画も、国別、年代別にまとめて見ることが出来、美術史的な位置や、作者の人物紹介、さらには、実際の大きさを比較できたり、部分的に拡大してディテールを見ることが出来るなど、欲しい機能がもらさず用意されている。美術用語の解説も充実していて、初心者にも充分な知識が簡単に得られるようになっている。派手さはないが、しっかり作られていて、手元に置いておきたくなる一枚だ。

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レオナルド・ダ・ヴィンチ ルネサンスの天才


販売元:フジテレビ/インフォシティ
定価:9800円
対応機種:Macintosh、Windows


●レオナルド・ダ・ヴィンチ ルネサンスの天才

「私の記憶が確かならば、レオナルド・ダ・ヴィンチはルネサンスの技術者にして発明家・・・」ソフトを起ち上げると加賀丈史氏の聞き慣れたナレーションが流れる。一人マルチメディアの天才レオナルド・ダ・ヴィンチのデータベースにして作品集、そして、現代のテクノロジーによって、その発明品を立体化するなどの要素を加えた、ダ・ヴィンチの全てといった感じのCD-ROMが、この「レオナルド・ダ・ヴィンチ ルネサンスの天才」だ。
 彼が描いた全ての絵画(18点)、デッサン(139点)、デッサン画をもとに3D化した発明品、彼と同時代に描かれた作品(92点)を、原画に近いクオリティで収録。更に作品解説や、ダ・ヴィンチに関する考察、ルネッサンスとその時代に関する用語辞典、年表、地図なども併せて収録し、それぞれのデータがリンクしているから、興味のある部分を次々と見ていくことが出来るようになっている。解説の文章は、ハイパーテキストになっていて、文章中に取り上げられている作品や事象にその場でジャンプ出来るし、詳しい論説は、テキストとしても読めるし、ナレーションで聞くこともできる。実際、データベースとしてかなり使いやすい構造になっている。
 この作品の原版は、フランスのジャーナリスト、ダニエル・ギャリックがほとんど一人でテキストを書き、資料を集めて作り上げたもので、その日本語版として出されいる。それを、ただ日本語にしたのではなく、原文のミスを直し、図版はポジから撮り直して再構成、地図などを新たに加えた、原版をグレードアップしたものに仕上げている。こういう姿勢の日本語化は、これからのローカライズのお手本になるべきものだと思う。加賀さんのナレーションは、最近のフジテレビってこればっか、という感じがしないではないが、このくらいの遊びがある方がかえって取っつきやすいのかも知れない。スライドショーとナレーションによって語られる部分をただ眺めているだけでも、ダ・ヴィンチの業績や人となりについて、すんなり理解することができるようになっている。ほとんど、人物ドキュメントのテレビ番組みたいでいいよ。
 これ一本で、ダ・ヴィンチはOKという出来になっているので、興味のある人は買っても絶対損しない一枚だろう。

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ロイター 1994年度年鑑


販売元:恒陽社
定価:3980円
対応機種:Macintosh、Windows


●ロイター 1994年度年鑑

CD-ROMによるデータベースは、何故か海外の物の方が、国産の何百倍も良質で、タイトルも充実している。しかも、それらの海外出来のCD-ROMは日本語化さえされないままなので、実は日本語で見ることが出来る良質のデータベース的な作品は皆無と言ってよかった。ごく小さな範囲に関するデータベースならば、「パトレイバー・デジタル・ライブラリー」があるけれど、データベースとしての機能は高くても、そこにあるデータはどうしてもマニア向けであることを避けられない。他は、もはや壊滅状態に近く、どれも、基本的なデータ量が少なく、無駄なムービーを多数収録したり、使いにくいインターフェイスを持っていたりと、せっかくのCD-ROMというメディアを使いこなせないものばかりだった。
 ムービーにこだわりすぎる、というのが、まず大きな欠点だろう。動画が扱えるから使う、というだけのものが多い。その点だけでも、この「ロイター94年度版年鑑」は偉い。写真と文字と音声のみで、1994年(正確には1993年11月から1994年10月)に起きた様々な事件をデータベース化している。報道といえばムービーを使いたいだろうけど、そこをこらえてのこの仕様は、これからのデータベースにも見習ってもらいたいものだ。音声さえいらないのでは、とも思う。これで、文字による解説及びキャプションと、写真、必要な部分は図版、これだけに情報を絞って、もっと沢山のニュースを収録して欲しかった。
 情報元がロイターである、というのもデータとして嬉しい。基本的に通信社は、各メディアにニュースを流すという立場上、ニュース自体に色がない。TIMESやNewsWeekのCD-ROMもアメリカでは発売されていて、どちらも中々面白いのだが、その面白さは着眼点や編集によるものだ(例えばTIMESの湾岸戦争を特集したCD-ROMなど)。記事のスクラップ的な魅力はあるが、それは決して一年間に起こったニュースのデータベースにはならない。このロイターのCD-ROMでは、そこに写真家の視線という媒介物はあるものの、ただ、記録としての事実が写真で紹介されるのみだ。一年間のデータベースとして考えると、これは中々面白いし、それは、ロイターが通信社である以上こういう形にしか出来ないということでもあるのだろう。日本では、毎日新聞や朝日新聞が、縮刷版をCD-ROMにしたものを出しているけれど、それは、通信社的なスタイルと新聞社的なスタイルの折衷で、それだけに中途半端になってしまっている。日本の新聞社の体質を表しているとも言えると思うけどさ。
 そして、何よりこのCD-ROMがいいのは、日本語で読めて、しかも低価格ということだ。ロイターで撮影された世界の報道写真が約400点、文字と音声は日英二ヵ国語で収録されていて、分野、情報、時期、地域で検索できて3980円。しかもハイブリッド仕様でMacでもWindowsでも使える。これが書籍による写真集だったら、置く場所に困るほどの本だっただろうし、値段もこれと同じか、もう少し高いくらいだろう。写真400点は書籍には荷が重い数字だ。まさに、持っていて損はないCD-ROM(そういうのって、あるようでほとんど無いのが現実だ)。
 収録されているニュースも、セナの死やルワンダの難民虐殺などの世界的な悲劇から、シドニー新婚旅行新妻失踪事件なんて妙に懐かしいのまで入っていて、眺めてるだけでも楽しい。報道写真としては柔らかめのものが選んであるせいだろう。そのへんを考えてくれたのか、スライドショー形式で見ることも出来るようになっている。ジャンルを選んで、あとはニュースを流しっぱなし。これが結構新鮮なBGVだ。
 マルチメディアというよりも、コンパクトにまとまった省スペース報道年鑑。マルチメディア的であらねば、という気負いなく、手持ちのデータを使って、普通に年鑑を編集するように作られてるのがいいね。



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