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Jewels of the Oracle


販売元:ウェップシステム
定価:9800円(日本語版)
対応機種:HYBRID


●Jewels of the Oracle

PUZZLE(パズル)、考えるもの、とか、謎とかいう意味だという。子供の頃パズルと言えば、ジグゾーパズルのピースの凄えデカイ奴のことだと思っていた。それだけがパズルじゃない、と気が付いたのはいつ頃だったのだろう。気が付けば「ソリテア」とか「箱入り娘」とかのボードゲームから、「倉庫番」とか、「ロードランナー」とかのコンピューターゲームまで、様々なパズルで遊んでいた。
 このCD-ROM「Jewels of the Oracle」は、全編パズルだらけのゲームだ。「デイドラス」からストーリーを抜いたようなもの、と言えば分かりやすいだろうか。「7th Guest」というのもあったな。つまり、美しい3Dのグラフィックに彩られた、パズルの館探検ゲーム。
 舞台設定は、古代遺跡のような洞窟とも石室とも言える変な所だ。ゲームを開始すると、その遺跡の扉が目の前にポツンと現れる。扉を開けて中に入ると、そこは円筒状の空間で、真ん中に井戸のようなモノがある。他にはいくつかの扉。一つだけ開く扉があるので、それを開けて中へ進むと、たくさんの宝石で出来たオブジェがある。オブジェは目の前で砕け散り、そこに散りばめられていた宝石は全てどこかに飛び去ってしまう。プレイヤーは、それらの宝石を全て集めなければならない。全ての宝石を集めた時、エジプトやメソポタミアの太古の遺跡の謎が、プレイヤーの前に姿を現す(らしいんだけど、とてもじゃないけど、全部解くのはムリでした)。とにかく、宝石を探しにいかなければならない。
 宝石は、井戸の石垣を押すと現れる部屋(玄室なのかな)に隠されている。最初に選択できる部屋は12個。つまり井戸の石垣の内壁部分の数だ。石垣を一つ押すごとに、井戸の中にパズルの模様が浮かび上がる。そこからパズルが置いてある部屋へアクセスし、そこにあるパズルを解いて宝石を入手しなければならない。
 パズルも、古代遺跡にふさわしくデザインされている。棺の中にあったり、神の台座のようなデザインになっていたりと、雰囲気を損なわない形でパズルが置いてあるのだ。まるで、パズル自体が、その部屋に眠る古代の王族の木乃伊のようにも見える。また、パズル自体も、例えば「倉庫番」のようなパズルでは、スカラベ(聖なる紋章になってる虫、はやい話がふんころがし)が玉を押していくデザインになっていたり、魔法陣(数字をある規則性を持って平面上に配置するパズル)は、全ての列が7で割り切れるように並べるというスタイル(7って神聖な数らしいよ)でピラミッド状に並べるようになっていたりする。他にも、種や、水などの、遺跡にありがちなアイテムを使ったパズルや、いかにも古代文明風の木やヒモを使った仕掛けを模したパズルなど、パズルの難易度も高いが、デザインもよく考えられていて、遊んでいて気持ちがいい。これがCGじゃなくて、木と鉄と布を使って作ったものだったら、それだけで装飾品になると思う。しかも、そうやって作れるデザインになってるから嬉しい。パズルの背景で流れる静かな、思考を邪魔しない音楽や、木や石を使ったパズル自体が出す音が、一層、古代遺跡の中という雰囲気を盛り上げてくれる。なんとなく、ひんやりとした質感が伝わってくるようだ。全く同じルールのパズルでも、デザイン一つでこんなにも新鮮に見える。
 パズル自体は、ソリテア風や魔法陣、倉庫番風や迷路など、お馴染みのスタイルのものが多いのだけど、デザインが良く、雰囲気とマッチしてるので、ちょっと見に、そのパズルが一体何のパズルなのかが分かりにくくて、でも、それを見抜くのが難しいけど楽しい。逆三角形の変な顔が、どんなパズルなのかを教えてくれるんだけど、これがまた妙に回りくどい表現で分かりにくい。それもそのはず、これはOracle、つまり御神託なのだ。宝石たちが神託を述べる、というタイトル通りだね。
 パズルはとりあえず30個あるらしい。パズル以外にも、古代遺跡のオブジェや隠されたアイテムがあるから、そういうのもパズルをやりつつチェックしていく。古代の遺跡の秘密をバックグラウンドに展開するパズル群、それがこのゲームだ。早解きコンテストとか賞金とかもかかってるそうだから、腕に覚えがある人は早々にゲットして、すぐさまとりかかろう。最初は英語版での発売で、ひと月遅れくらいで日本語版が出るらしい。でも英語がほとんどわかんなくてもパズルは解ける(言葉パズルは別か。でもほとんどは言葉が要らないパズルだ)し、日本語版へのチェンジアップ券付きだから、安心して英語版を買おう。ゲームレベルはEasyからHardまで、三段階。かなり手強いけど、画面が綺麗で音が静かだから、パズルが苦手な人でもじっくり構えて遊べる。長く遊べる、というのがゲームの価値の一つなら、このゲームは、最高のゲームの一つだ。落ち着いた色調だから長くモニターとにらめっこしててもそれほど疲れないから大丈夫。モニターを暗くして、お気に入りのお茶でも用意して、じっくりととりかかろう。パズルって、やりだすとハマるんだよな。イライラしつつも、どんどんムキになっていく。

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JORNEY TO THE SOURCE


販売元:マーキュリーメディア
定価:12800円
対応機種:Macintosh


●JORNEY TO THE SOURCE

「始まりへの回帰(揚子江源流の旅)」というタイトル通り、探検家How Man Wong氏が率いる探検隊の、揚子江をどんどん遡っていく旅を記録したCD-ROM。揚子江でしか見ることが出来ない55種類の動物(500キロ級のチョウザメ、揚子江ワニなど)や、揚子江源流の自然を、400枚の写真と70本のQuickTimeMovieにして収録している。NHKのドキュメントのような内容だが、写真が独特の雰囲気を持ち、メジャーなメディアでは見ることが出来ない面白さがある。こういう普段商業出版としては、セールス的に難しいものが出てくるのも、CD-ROMのメリットだ。

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JUMP


販売元:BMGビクター
定価:7800円(Mac日本語版)、5800円(Win英語版)
対応機種:Macintosh(日本語版)、Windows(日本語解説書付き英語版)


●JUMP

デヴィッド・ボウイのファンのためにだけ作られたような、全編デヴィッド・ボウイの姿に溢れたCD-ROM。JUMPのプロモーションビデオを音楽トラックとビデオ(音とシンクロした五つの画面をスイッチングする)の両方でリミックス出来る機能は中々楽しい。インタビューも、かなり広い範囲にわたって行われているので、喋るボウイをたっぷり見られる。彼自身のバイオグラフィーや、過去から現在に至るまでのスチール写真、ディスコグラフィーなど、データも充分。オフィスビルの中を歩き回って、これらのデータにアクセスするだけなんだけど、いいなあこれ。

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ジャンプ・レイヴン


販売元:バンダイビジュアル(Mac)、CYBERFRIX(Win英語版)
定価:12800円(Mac日本語版)
対応機種:Macintosh、Windows(英語版のみ)


●ジャンプ・レイヴン

ビル・アップルトン率いるサイバー・フリックス社の「ルニカス」に続く第二弾。前作同様、3DCGによるハイスピード・シューティング・アドベンチャーだ。ルニカスで使われていたオーサリング・ツール「ドリームファクトリー」のフェイズ2を使用し、スピードやグラフィックの処理がさらに向上している。3Dシューティングを更に進化させ、撃った弾は放物線を描いて飛んでいくなどの凝った作りになっていて、難易度は相当高い。凝りに凝ったゲームシステムは、ちょっと複雑すぎる程だが、それだけに、一度ハマるとその面白さは並のゲームでは味わえないものがある。



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