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DARKSEED日本語版


販売元:ナムコ
定価:9800円
対応機種:Macintosh、Windows


●DARKSEED日本語版

エイリアンなどのデザインでもお馴染みのギーガーの絵を全編に使った、ホラー・アドベンチャー。クトゥルー神話を材に取ったストーリーがギーガーのイラストを背景に展開する。ゲーム条件が結構厳しく、アイテムは取り損なうと二度と手に入らなかったり、三日間のタイムリミットがあったり、と、ヒント無しで最後までたどり着くのは至難の業だ。日本語版には、詳細なヒントがテキストファイルで付属しているので、誰でも一応ラストシーンまでたどり着けるようにはなっている。ストーリーはたわいもないものだが、雰囲気はあるので、それなりに盛り上がる。日本語訳の監修という仕事を、この作品で初めてやったら、それはそれは面白かった。

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DESCENT


販売元:インタープレイ
価格:価格:9800円(DOS/V版)
対応機種:Macintosh、DOS/V、98


●DESCENT

DOOM系の3Dシューティングゲームが数多く発売されている中、この作品はその中でも一際目立っている。何より、360度全方向に完全移動出来る設定が凄い。小型の戦闘艇に乗り込んで、迷宮状の基地内を撃ちまくる。スピード感、爽快感共に、かなりのものがあるが、乗り物酔いする人には勧められないかも知れない。8人まで参加できるネットワークプレイやモデムによる対戦もOK。

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DIGITAL ONAPETS


販売元:KUKI(PISTON)
価格:7,900円
対応機種:HYBRID仕様


●DIGITAL ONAPETS

四人の、色んな種類の女の子を相手に、様々な試練をくぐりぬけて、射精するまで戦うという、システムからしてヘンな作品だ。相手の女の子は、女子高生、看護婦、SMの女王、そしてくノ一。何でここでくノ一が出てくるのだろう。謎だが、くノ一はイケル。忍法人間吸引器、幻の宴、蛇の道でもうメロメロ(どこが忍法なのかな?)。All My Best CD-ROMの一枚。傑作だよ。特に森尾ひとみのくノ一。この演技が後の「バーチャル未亡人下宿」へと結晶するのである。愛してるよ。

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DINOPIX


販売元:バンダイビジュアル
価格:5800円
対応機種:Macintosh、Windows


●DINOPIX

有名なネッシーの写真が、実はトリック撮影だった、という話しがあった。子供のころから見てたから、急にそういうこと言われても困っちゃう。既にネッシーはいることになってたんだし。ぼやっとした写真だけど、だからこそリアリティがあった。もし、これが写真でなく、誰かが描いた精巧なスケッチであったらどうだっただろう。もし、それが本当に見て描いたものであったとしても、それを本気にする人は少なかったに違いない。
 このCDーROM「DINOPIX」は、多分世界で初めての「恐竜写真集」だ。「恐竜図鑑」ではないのが、この写真集のポイントで、そこを間違えちゃいけない。かつてこんな恐竜がいました、という紹介をするものではないのだ。あくまでも、「写真集」なのである。写真だから、そこにいる恐竜は、ウロコの形だってはっきりしてないし、中にはぼんやりとしか写っていないものもある。これは、合成のアラを隠すためにそうなっているのではなくて、ふいに自分の前を横切った巨大な生物を撮影したら、こういうふうに写るということなのだ。写真って、あんまりはっきり写らないものだという事実は、知られているようで知られていない。嘘だと思ったら動物園にでも行って、象なりサイなりを撮ってみるといい。図鑑に載っている絵とは全然違う動物が写ってしまうはずだ。
 もちろん、この作品集の写真は、実際に恐竜を撮影したわけではなくて、模型の恐竜と実写による背景を合成したものなのだけれど(当たり前だね)、恐竜というモチーフ以上に、「写真」とはどういうものか、という一点にこだわって作られているため、そこに示されているリアリティはハンパじゃない。ほとんどの作品が自然光で撮影されているせいもあって、写真を見ているうちに、だんだん、恐竜がいることが自然に思えてくる。日常の風景の中に、恐竜がとけ込んで、それ自体が別の現実を作り出しているのだ。だから、ここにいる恐竜たちは、例えば、アフリカの動物達の写真などと同じように、時には恐ろしく、時にはコミカルで、そして時にはペーソスすら漂わせているようにも見える。もはや、恐竜はいる、としか思えない存在感と表情だ。
 ウソのドキュメントは、イラストや文章では表現が難しい、写真ならではのジャンルだ。そういうのって「ヤラセ」とか言われて嫌われることもあるけど、こういう見事な例が出てくる可能性もある。写真で虚構を構成するのって、写真の技術、構成力、デザイン能力、ストーリーテラーとしての資質など、様々な能力が要求されて結構難しい。しかも、くそまじめに作らないとリアリティは簡単に失われるしね。作者の田島照久氏は、アートディレクターでもあり写真も撮る人で、浜田省吾や尾崎豊のレコードジャケットなどを手がけていた人だ。ミュージシャンのジャケットというのも、ある種のヤラセというか、ドラマを内包させるものだから、ミュージシャンの代わりに恐竜を置いてみた、という感じなのだろう。
 それぞれの写真についているキャプションがまたいい。恐竜の名前や大きさなどはもとより、年齢まで付いてる。撮影時の状況もあって、「ボラボラ島の切り立った断崖に抱かれて湖を渡るブラキオザウルス。その姿を目にした時、私は熱帯の暑気にもかかわらず、全身に寒気が走るのを感じた。大慌てでカメラを取り出し、シャッターを押す。しかし、手が震えてなかなかピントが合わない。そんな私をあざ笑うかのように、ブラキオザウルスはゆっくりと厳かに岸へ向かった。」なんて書いてある。泣かせるじゃないの。
 CD-ROMには、20インチモニターに対応したデータも入っているから、もし環境が許せばデカイ画面で見ることをお勧めする。恐竜はデカイし、そのデカイ恐竜を内包する風景はもっとデカイから。さらに、田島氏のナレーションによる恐竜写真の作り方も収録されている。しかも、恐竜の写真と風景の写真、さらにフォトショップの体験版が付いていて、実際に合成してみることも出来る。さあ、みんなでウソつこうぜ。

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DOOM II


販売元:Id Software
価格:輸入盤
対応機種:DOS/V、Macintosh


●DOOM II

迷路状になった建物の中を走り抜け、ただひたすら出てきた敵を撃ちまくる、アクションシューティングの決定版。出てくる敵も、建物の中もやたら気持ち悪いグラフィックで、殺したときの壮快感を盛り上げる。このスピード感がたまらない!

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DOUBLE VISION


販売元:スバルインターナショナル
価格:各12800円
対応機種:Macintosh


●DOUBLE VISION

このCD-ROMは、政治心理学者をセックスで虜にし奴隷にする、BLACK DIARYと、清楚な女性の日記が綴られるWHITE DIARYの二つのCD-ROMで構成されている。どちらも、写真を横須賀功光が、各巻500枚以上を撮り下ろし、モデルは藤本祐が、それぞれのタイトルで全く違う性格を持つ一人の女性を演じている。詩を園田恵子、物語を赤坂真理が書き、写真と文章を同じ軸の中で結びつけてみようという試みがなされている。物語と写真が同じ力を持って一つの物語を語るという手法は、このCD-ROMでも成功しているとは言えないが、その志は評価したい。

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DUST A TALE OF THE WIRED WEST


販売元:CYBERFLIX
価格:輸入盤
対応機種:Macintosh、Windows


●DUST A TALE OF THE WIRED WEST

「DUST」は西部劇だ。だからいつも風が吹いている。草が絡まったようなのが、カラカラと転がっていき、砂埃が舞い上がっている。その空気を、まるで良くできた映画、例えば「荒野の用心棒」のように、「ストレート・トゥ・ヘル」のように、肌で感じることが出来る。クリント・イーストウッドが、砂埃の向こうから、肩をそびやかせて歩いてくるシーンのような、すさみきった町に何かが起こる予感が、「DUST」の舞台ダイヤモンドバックにも漂っている。
 画面は精巧な3Dによるリアルな背景とは言いがたい。最近のCGを見慣れた目には、ダサイ、ショボイ画面とも見えてしまうかも知れない。しかし、そんなことが作品の面白さに何の関係もないことは言うまでもない。要はプレイヤーが、その世界にドップリとつかることが出来るかだ。もし、「DUST」の背景が、まるで「ジャーニーマンプロジェクト2」のような絵柄で描かれていたらどうだろう。それは自然主義的なリアルであって、決して西部劇のリアルにはなり得ない。西部劇に必要なのは、砂と埃と風、そして木造のちゃちな建物、牧場。その程度でいいのだ。グラフィックが簡素でも、風が吹いていて、乾いた、火薬臭い空気を感じられるなら、それは精密なグラフィックの何倍も凄いことだ。このゲームでは、感覚のリアルを追求するために、見た目のリアルをある程度捨ててでも、快適な動作速度を取ったのだ。そして、目の前にあるダイアモンドバックの町は、絵ではなく、正に一つの町として画面上に現れている。絵では風が吹くことはない。
 町は、常に動いている。だから、ぼんやりと立っていると、色んな人が通り過ぎていく。こちらから話しかけないと、そのまま歩いていってしまう人もいれば、勝手に話しかけてくる奴もいる。声をかけようとしたら、角を曲がって見えなくなってしまうこともある。そして、足下には風が舞っている。本当に町は常に動いているのだ。そして、それは町である以上当たり前のことだ。この当たり前のことが、CD-ROMのインタラクティブムービーでは、意外と実現されてなかったりするのだけれど。さらに、人の口の動きと喋る言葉の一致や、西部劇につきものの、バタンバタンと開く小さな扉のリアルな動き(扉を押すと、ギーッと音を立てて左右に開き、中にはいると、後ろで扉がバタンバタンと音を立てて揺れている、という西部劇でお馴染みの酒場の扉のシーンが、見事に再現されているのだ)など、随所に、グラフィックとしてのリアルを越えた、動きや雰囲気のリアル、いわゆる「それっぽさ」、を追求したシークエンスが見られる。
 そのへんは「ルニカス」「ジャンプレイヴン」で、常識外れの動作速度を実現して見せたビル・アップルトンの腕なのだろう。「DUST」制作中の彼は、「面白いテキスト、リアルなグラフィックと動作、そしてプログラミングを含む技術力、この三つが揃えば、本当のインタラクティブムービーが出来る。『DUST』は、それをかなりの水準までクリアしていると思う」と語っていた。確かに、完成した「DUST」は、ポーカーゲームでのトラブルに端を発したオープニングから、流れ着いたダイアモンドバックという町のすさみ具合、多彩な登場人物による会話の楽しさ、そして、西部劇らしい、単純で力強いストーリーという形で、テキストやプロットは十分に魅力的だし、3Dによるリアルな遠近感や距離感、風や空気の再現、ドアや小道具のリアリティ、酒場の様子や、本格的なカードゲームの模様など、グラフィックも荒削りな見てくれを忘れさせるほど、プレイヤーに現実感を抱かせる。そして何より、それらの要素を、快適な動作速度を可能にした技術力が支えて、かなりの満足度に仕上がっている。マウスとキーボードを併用するインターフェイスも自然だ。バーチャルリアリティというより、これはエンターテイメントとしてのインタラクティブムービーだ。仮想現実と言ったところで、そもそもがフィクションで、さらに架空の町を舞台に、過去の世界を楽しむのだから、現実ではあり得ない。別のフィクションの中に感情移入するためのインタラクティビティという考え方は、これから先、絶対に必要になってくる。どんなに現実をシミュレートしても、その世界がつまらなかったら何にもならない。
 だから、「DUST」では、大きな部分では大雑把に、細部ではよりリアルに、という方針を取ることで、フィクションとしてのリアリティを獲得している。ブラックジャックやポーカーなどが、それ単体でも楽しめるほどに良くできているのは、そういう方針に乗っ取って作られているからだ。町の風景が細部まで描き込まれていないのに、酒場や屋内になると。リアルさが増し、さらにその中の何かを手に取ると、さらにリアルに描き込まれているのは、人間の意識の構造に合わせてあるようなもので、だからプレイヤーにリアリティを感じさせる。逆に、そのせいで、端で見てると、ちょっとぱっとしないゲームに見えるかも知れないが、そんな部分に力を入れているゲームにろくなものがないのは、ほぼ常識だ。「DUST」というゲームに、無駄なハッタリは無い。
 照りつけるメキシコの太陽を浴びて、乾いた町を歩く快感だけでも、一見の価値があるが、会話の部分が凄く楽しく、かつ重要なので、ちょっと日本人にはツライ。まじで、現時点で最高のゲームの一つなのだから、美しいグラフィックだけが取り柄のゲームよりも、こっちを優先してやって欲しい、是非。

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ダン


販売元:ポニーキャニオン
価格:9800円
対応機種:HYBRID仕様


●ダン

かつて、海洋冒険活劇というジャンルがあった。南洋一郎なんかが書いていた、南の海を中心とした、陰謀あり、ジャングル探検あり、ロマンスありの冒険を描いたものだ。このCD-ROM「ダン」は、正にその世界を久々に甦らせたような作品になっている。
 時は第一次世界大戦後。そろそろナチスが台頭してきて、世界がきな臭くなってきた頃の話。この時代設定も昔の少年小説の冒険物によくあった時代だ。ま、日本の小説の場合、対ロシアであり、対アメリカなんだけどね。主人公のダンは、日系アメリカ人で、第一次大戦では撃墜王だった一流の戦闘機乗りだ。現在は、飛行機による輸送会社を設立し、日夜荷物と共に空を飛ぶ生活だ。しかし、どうでもいいけど、こいつのこの髪型はなんとかならんのだろうか。いくらアニメとはいえ、時代を考えたら、この髪型だと銃殺されるぞ。ビートルズが登場した時に、あの程度の長髪でも批難ゴーゴーゼットだったというのにね。日本の由緒正しい冒険活劇の主人公に長髪は一人もいないぞっ!って、まあ、いいけどね。
 この主人公のルックスをのぞけば、この作品、実にお約束というか海洋冒険物の定石通りに話が進んでいく。これはもう、気持ちがいいほどで、実際、下手にストーリーの定石を外してツマンナくなる傾向の多い最近の国産エンターテイメントの中では、高く評価していいと思う。世の中にはマンネリでなければ語れない真実というものもあるのだ(by 小林信彦)。
 物語は、学生時代の恩師から荷物を運ぶことを依頼されたダンと相棒のゴードンが、愛機マーチンで飛行中に落雷に見舞われる所から始まる。その落雷のショックで、教授から預かった荷物に異変が起こる。何とその荷物の中身は、わけのわからない怪物だったのだ。ゴードンはその怪物に海に突き落とされ、ダンも意識を失う。気が付くと病院に寝かせられていた、という導入部。そして、自分を助けた男は、何と自分を殺そうとしていることが分かる。
 ね、中々、どっかで聞いたようなストーリーでしょ。そうなると、あとはお約束。当然、病院からの脱出。恩師マーチン教授の家を訪ねると、そこで恩師の娘ルイス(元気のいい金髪美女!)と出会い、あの荷物に秘密があったことを知る。恩師の家は敵に包囲されるけど、そこから最新式の飛行機(マーチン教授がこっそり作っておいたらしい。ね、見事にお約束でしょ)で脱出。更に追ってくる潜水艦を相手にひと暴れ。一隻だけわざと逃がして後を追うと、そこは何とジャングル。しかもジャングルの中でルイスがさらわれてしまうという、もう、これでもかのお約束オンパレード。
 しかも、病院で脱出出来なければ(看護婦に見とれてたら殺られるぞ)いきなりゲームオーバーだし、教授の部屋に侵入するのにダンジョンを抜けるし、潜水艦相手にはシューティングゲーム(しかも結構難しいんだ)やんなきゃいけないし、という感じで、中々忙しい。お約束のストーリーに乗せて次々とミニゲームをこなしていくという構成は、ストーリーがシンプルだけに成功してる。
 ジャングルでは迷路を抜けて、何だかわかんない原住民に出会う。ルイスを助けて、最初に出てきた怪物をやっと倒したと思ったら、お次は原住民の美少女の登場。息つく暇もない予想通りの展開。現地娘とはキーボードによる会話をして、捕らわれていたマーチン教授を救出。ここでやっと事件の全貌が分かる。何と驚いたことに、全てはナチスの陰謀!だったのだ。大笑いだ。ここまでパターン通りだと、ホント感動するでしょ。あとは、ラストまで一気に進む。ナチの基地に潜入、破壊でハッピーエンド。マルチエンディングは、途中で失敗したらそこでゲームオーバーというスタイルで、本当のラストシーンは一個だけ。ま、それもマルチエンディングだけどね。「かまいたちの夜」を見ちゃうと、何か巷で言われるマルチエンディングって色褪せるなあ。エンディングだけ違ってもね。
 豪華声優陣によるアニメスタイルさえ気にならなければ、結構楽しめると思う。日本の伝統の物語スタイルに触れられるよん。

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デイドラス エピソード1.難破船のエイリアン


販売元:BMGビクター
価格:9800円
対応機種:Macintosh、Windows


●デイドラス エピソード1.難破船のエイリアン

主演に、映画「トゥルーライズ」や「ライジングサン」のティア・カレルを配し、総制作費150万ドルをかけたCD-ROM3枚組大作「デイドラス(ギリシャ神話のイカロスの父で迷路作りのダイダロスのことらしい)」は、インタラクティブ・ムービーと呼ばれる作品群の総決算的な作品だ。2時間30分に及ぶムービーにより、ストーリーは、正に映画を見ているように進行する。
 登場人物はティア・カレル演じるエリと、クリスチャン・ボッハー演じるザックの二人だけ。あとは全てCGによるエイリアンや様々な機械類。プレイヤーであるケイシーも、冒頭いきなり事故に遭い、コンピューターと直結された意識だけの存在になってしまう。CGと実写の合成は、「バーチャル未亡人」などでもお馴染みで、もはやCD-ROMでは珍しくなくなっている手法だが、それにしても、この作品はよく出来ている。ちょっと役者の演技がオーバーなのだが、さすがに1分のアニメーションにレンダリングが75時間という労作だけのことはある。正にデジタルハリウッドだね。
 ストーリーは、惑星戦争中の事故で意識だけの機械の体になってしまったプレイヤーと、そのチームであるエリとザックの三人が、宇宙船機械の回収業のため危険空域へと出かけていく。そこで、不思議な生物とも機械ともつかない難破船と衝突する。その難破船はクリンと呼ばれる宇宙ピラニアのような生物に襲われ乗組員のエイリアンたちは全滅。しかも、恒星の引力によって4時間後にはコロナに巻き込まれる運命なのだ。3人はとにかく、宇宙船内を探索し脱出の手がかりをみつけなければならない。意識だけのプレイヤーはプローブと呼ばれる小型の探索装置を操って、作業を行う。このへんは、「アイアンヘリックス」によく似た設定だ。操作性はよくなってるけど。
 物語はあちこちに仕掛けられたパズルを解くことで進行する。途中のトラップが多くて、ちょっとの失敗ですぐゲームオーバーになってしまうのはどうもなあ。
 でも、脚本(セリフ)はよく書けてるし、フル画面で見ることが出来るムービーはティア・カレルの魅力もあって、思わず見入ってしまう(ちょっと見てるだけのシーンが長いけどね)。それにしても、体を持たないプレイヤーはエリとザックの仲のいい会話をただ見てるしかないのが寂しいね。

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デルフォイの記憶


販売元:創知社ハイテックライツ
価格:7,900円
対応機種:HYBRID仕様


●デルフォイの記憶

イルカの生態、イルカの魅力、そしてイルカと人間の関りなど、およそ、イルカについて考えられる様々なデータが、写真やムービー、テキストや図版などで収録されている。イルカを理解するためのCDーROMという感じだ。
 内容は、まず、カメラマン大石博人による、カリブ海のイルカたちの写真集のスライドショー、イルカの写真を撮るテクニックや、イルカのムービーなどの、イルカの姿がたっぷり楽しめる映像が収録されている、イルカの魅力編とでもいうようなものから始まる。ここまでは、よくある生き物データベース的なCDーROMにお決まりのパターン。しかし、このあとはいきなり生物の授業になる。
 「イルカ人間起源説」と題された、人がかつて、イルカと共存していたとする説に基づく、人とイルカの関係性についての話しや、人はかつて水棲動物だったという説を検証する「水中生理学ノート」。人がなぜイルカに惹かれるのかを、文化史的な側面から見る「イルカの文化史」など、思わず、「へーっ」と聞き入ってしまうような話しが、図版や、アニメーション、ナレーションなどと共に分かりやすく解説される。難しい用語などもきちんと解説してくれて、本当に授業を受けているという感じだ。
 さらに、「海へ還る」という思想を元に、ホモ・デルフィナスを提唱する、ジャック・マイヨールのインタビューと、彼とイルカとの関りを書いた文章が収録され、イルカと人間の関りを、より深く考えられるようになっている。「わしらの祖先の話」という、イルカと助けあう人間の姿を描いた創作童話の絵本も収録。

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大戦略 for Macintosh


販売元:システムソフト
定価:9800円
対応機種:Macintosh、Windows


●大戦略 for Macintosh

「大戦略」と言えば、それはもう、日本における戦略シミュレーション・ゲームの決定版とまで言われている、一大ベストセラー・ゲームだ。このソフトのために、98を使い続けているという人も多いらしい。それほどのソフトであれば、当然このマルチ・プラットフォーム時代に合わせて、Macintosh版やWindows版が登場してくる。むしろ遅すぎた移植かもしれない。
 しかし、この手のウォー・シミュレーションのゲームって、ホントよく出来てる。ソフトが、じゃなくて、ボードゲームから連なるウォー・ゲームというもの自体が、よくもまあ、こんなのゲームにしたよな、と感心するくらいだ。ゲームとしての完成度で言えば、麻雀、モノポリーあたりと互角に争えると思う。
 そして、何と言っても怖いというか凄いのは、実際の戦争が、ほとんど、この手のゲームと同じようにして戦略が練られ、兵が動かされていたわけだから、そりゃ、良くできてるのも当然かも。ウォー・ゲーム自体は、西洋で作られたものだけど、日本の戦国時代でも、地形を描いた地図と、兵を表した駒で軍略は練られていたようだし、孫子に連なる中国の兵法も、同じように兵を動かすシミュレーションをしながら戦争してたようだ。戦争は地上最大のゲームだと言った人がいるらしいが、ま、こうやって地図と駒で戦ってる分には、本当に面白いゲームだろうと思う。この手のゲームで遊んでると、本当にそう思えてしまう。もちろん、実際の戦争では、駒一つに何百人の命がかかるわけで、もし、そうなら、とてもじゃないけど駒の移動一つ、わたしら素人には出来ない。ただ、ボードゲームじゃなく、こうやってCD-ROMになって、戦闘シーンのムービーまで見せられちゃうと、ゲームとは分かってても、つい、命を大事にする戦略を採ってしまうのが、また、良くできてる部分なんだろうな。
 「大戦略」では、何かの戦争をシミュレートしているのではなく、いくつかの架空の地形と架空の状況を元に、生産、補給、移動、戦闘、などを繰り返していく。ウォー・シミュレーションというよりは、戦略を身につけるための訓練用ソフトといった感じだ。用意されたシナリオは50。兵器の運用や戦い方を覚えるための練習的なものから、突如反乱が発生するような、特殊状況のものまで、これまでの大戦略シリーズに既に収録されていたものから、オリジナルまで、幅広い戦い方を要求される。とりあえず、これだけあって一万円以下というのは、結構お買い得だ。
 ほとんどマウスだけで操作できるインターフェイスも使いやすいし、マルチ・ウィンドウで様々な状況を一度に見ることが出来るのも、当然とはいえ嬉しい。ただ、何故か、マップ・ウィンドウの大きさを変えられないのが不思議だったが、ベータ版だからかもしれない。コマを移動するときにだけ、ヘックスが見えるのも、ボードゲームには無い良さだ。あ、もちろんサイコロ振る必要もない(って当たり前だ、そのためのコンピューターだもんね)。国家を選べるのも何だか嬉しいというか、怖いというか、いいけどね。速度的にも、それほどのストレスは無いようだ。少なくとも、私のCentris660/AV(68040/25M)では、人間相手にボードゲームするよりも何倍も快適だった。インストールもインストーラーをクリックするだけだし、ディスクスペースも2.5MB程度しか取らない(最近のCD-ROMにしては少ない方だと思う)。
 それにしても、この手のゲームってハマり易い。負けたときの悔しさが、何だかハンパじゃない。心のどこかで、架空の国を背負ってしまうのだろうか。ホント「興国の興廃この一戦にあり」って気分になってくるから恐ろしい。やたら頭を使うのも、気持ちよくも面白く、ドイツ軍とかアメリカ軍なんかになるわけじゃない所も、気楽に遊べる感じがして、私は好きだ。

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誰にも言えない


販売元:TBS
価格:7800円
対応機種:Macintosh


●誰にも言えない

佐野史郎、加来千香子主演のTBS制作のテレビドラマ、「冬彦さん」シリーズ第二弾「誰にも言えない」のCD-ROM。縦書き対応のエキスパンドブックを使用し、前作「高校教師」から大幅に機能も内容もアップした。内容は、「ずっとあなたが好きだった」のダイジェスト、ドラマ全シナリオ、名場面のムービー、スタッフ・キャストインタビュー、ロケ地図など。それぞれのデータがシナリオを軸にうまくリンクして、ドラマを立体的に見直すことができる。縦書きによるシナリオは読みやすく、ムービーの進行に合わせて、自動でページめくりもしてくれる。



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