すぐできるおいしい中華の家庭料理
周富徳:著
ブックマン社
1200円

 テレビでもお馴染み、カメラ目線のオバサマキラー周富徳は、色々言われてるけど、やっぱり凄い。「料理人のくせに味の素を平気で使う!」なんて言われてるけど、この「すぐできるおいしい中華の家庭料理」を読んでると、「うまみ調味料」として、堂々と、使うことを勧める文章が書いてある。おいしくなるよっ、って。実際そんなもんらしい。
 本の通りに作ってみる。材料も「おいおい、こんなにニラ入れて大丈夫か?」とか思いながら、ただ、訳も分からず、本に忠実にやってみた。うまい。中華料理の味がする。本人、中華を作ってるのかなんなのかさえよくわかんなかったのに。料理の本ってそんなもんだ、という声も聞こえてきそうだけど。
 この本はタイトルにあるとおり、中華の家庭料理、それもかなり素朴なものが収録されている。身近な材料で手早く、というのが基本らしい。ま、身近といっても、そこは中華料理、「これって身近かー?」というようなものもときどき書いてあるけど、例えば、ネギと卵だけで作るチャーハンのような、簡単な材料で、見慣れたメニューで、でも作ってみると妙に新鮮でうまい、というものが出来上がってしまうから面白い。ほんと、全然めずらしい料理なんて載ってない。ゴージャスなのも載ってない。目次の見た目なんかビンボくさい。作り方見ても、これでいいの?ってくらい簡潔に書いてある(その分わかりにくい部分もあるけどね)。そんで、うまいんだから、これはもう周富徳の力なのではないだろうか。我が家では、同じ会社から出ている「気軽に家庭で作れる中華料理1・2」(長いな)を愛用してて、これもイケル。それにしても周富徳、高田文夫にちょと似てる。